仮定法は、事実とは異なるかもしれないことを想像したり、願望・疑いなどにより仮定したときに、どのような結果になるかを表した表現方法になります。
仮定法過去と仮定法現在
現実的には起こらないであろうということを過去形を用いて表現するのが仮定法過去になります。
If we had money, we could buy it.
「もし、お金を持っていれば、それを買うことができるのに。」
仮定法現在は、比較的に起こりそうなときに表現され、今まで習ってきた通常のif文などを使用します。
If we have money, we will buy it.
「もし、お金を持っていれば、それを買うでしょう。」
仮定法過去の文法
If + S + 過去形, S + 助動詞 ~. という形式になり、以下の規則に従い変換します。
願望や想像に該当する述語を過去形にします。
“If we have money”-> “If we had money”
仮定した結果の文を助動詞のwould, could, should, mightのうちどれかを用いて表現します。
“we will buy it.” -> “we could buy it.”
「~するだろう」という時にはwouldを使い、「~できるのに」と時にはにはcouldを用います。
ここで、使われる助動詞は「助動詞の過去形」ではありません。中学生のときに習った助動詞の過去形というイメージが根強いですが、元々のこれら助動詞の意味は、事実に反する動作であったり、実現される可能性が極端に低い場合に使われます。
be動詞の場合
be動詞の過去形は主語によってwas、wereがありますが、仮定法過去で使用するbe動詞は必ず、wereになります。
If I were a rich, I could buy it.
「もし、私が金持ちだったら、それを買えるのに」
Ifを省略した場合
先頭にあるIfを省略し、主語と動詞の順番を逆にするという方法を倒置と呼び、「倒置による仮定法」として覚えておくと良いかと思います。
If we had money, we could buy it.
→ Had we money, we could buy it.
仮定部分と願望部分が逆になる場合
通常、if文の使い方は、"if S1 + V1, S2 +V2"の形式で「S1がV1する場合、S2はV2するでしょう」という訳になります。このifに繋がる”S1 + V1"が後ろに来て”S2 + V2 + if + S1 + V2 ”という表現もできます。
If it rains tomorrow, we will stay at home.
「もし明日、雨がふれば、私たちは家にいます。」
We will stay at home if it rains tomorrow.
「私たちは家にいようと思います、明日、雨が降った場合は」
仮定法の場合にも同様に、ifから始まる仮定部分を後ろにつける表現も出来ます。
If we had money, we could buy it.
「もし、お金を持っていれば、それを買うことができるのに。」
→ We could buy it if we had money.
現在形 + 仮定法過去の混合:
仮定の部分が現実的にありえる内容であれば、if文を使っていても過去形にはなりません。
結果を説明する部分は、仮定法になります。
If it's raining there, we should give up the hiking today.
「もしそっちで雨が降っているなら、ハイキングは中止にしたほうがいい。」
If it's raining there, we couldn't go to hiking today.
「もしそっちで雨が降っているなら、ハイキングには行けないだろう。」
仮定法過去完了
昔を思い出しながら、「あの時~だったら、…だったのに」というタラレバしてしまうときがありますよね。仮定法過去完了という形を使用することで、このタラレバのように過去の事実に対して願望を表現します。
仮定法過去が現在の状況、事実に対して「~であれば」などの願望を仮定したのに対して、仮定法過去完了は既に終わっている過去の事実に対して「~であれば」という仮定を表します。
仮定法過去完了の構文:
If + S + had + 過去分詞 ~ ,S + 助動詞 + have + 過去分詞 …
仮定法過去の例文:
If I knew his phone number, I could contact him.
「(今)彼の電話番号を知っていたら、彼に連絡できるのに」
これを仮定法過去完了に変換してみると、
If I had known his phone number, I could've contacted him.
「(あの時)彼の電話番号を知っていたら、彼に連絡できたのに」
仮定法過去完了+仮定法過去の混合:
また、knowをhearに変更し、「(あの時)彼の電話番号を聞いていたら、彼に連絡できたのに」という過去の事実に対して仮定して、現在の事実を語る場合は、仮定法過去完了+仮定法過去を混合して表します。
仮定法過去完了:
If I had heard his phone number, I could've contacted him.
「彼の電話番号を聞いていたら、彼に連絡できたのに」
仮定法過去完了+仮定法過去の混合:
If I had heard his phone number, I could contact him.
「彼の電話番号を聞いていたら、彼に連絡できるのに」
結果部分の助動詞の訳し方
結果の文で使われる「S + 助動詞 + have + 過去分詞 …」の部分について、助動詞の内容に応じて以下のような訳し方になるので覚えておくと役に立ちそうです。
- should have + 動詞の過去分詞(~しておくべきだったのに)
- would have + 動詞の過去分詞(~していただろうな)
- might have + 動詞の過去分詞(~していたかもしれないな)
- could have + 動詞の過去分詞(~できていたのに)