「~せざるを得ない」という意味を持つ表現といえば中学校で習う"must"、"have to"がすぐに思い出します。
TOEIC の試験では“cannot help Ving”などの表現が問題として出題され、それで「~せざるを得ない」という意味なの?と驚き、勉強になります。
頻出されるイディオムをまとめてみました。
helpは「助ける」だけではない
helpには、「助ける」という意味の他にcannotを前に付ける事でavoid:「~を避ける」・stop:「止める」という意味になります。
“cannot help Ving”を訳すと、「~することは避けることができない」→「~せざるをえない」と意訳されます。
“cannot help Ving”
I couldn't help laughing at his joke.
私は彼のジョークに笑わずにはいられなかった
butを使った表現
「~せざるを得ない」という意味の英語表現には、“cannot but do”または”cannot help but do“という言い回しもあります。通常、butは「しかし、けれども」などの接続詞としての使われ方が多いですが、「~を除いて」という前置詞としての役割もありました。
“cannot but do”
ラテン語を英語に置き換えたときに出来た表現のようで英文法に沿っていないため現在ではあまり使われません。
”cannot help but do“
上記2つの表現:“cannot help Ving”、”cannot but do“を合わせた表現で直訳すると「~することを除いて避けることは出来ない」という変な表現というになりますが、語源となる”cannot but do“の成り立ちに起因しているため暗記して覚えるしかないようです。
“cannot help Ving”、”cannot help but do“の違い
この2つの表現は、同一であると習ったかと思いますが、本当に同じなのでしょうか。
実は、”cannot help but do“の後ろに現れる動詞は、以下のように「自然に生じる精神的,感情的反応(involuntary mental or emotional reaction)」を表すものに限られています。
cry, giggle, hate, hope, laugh, love, notice, remember, smile, think, wonder, be amused, be happy, be impressed, be moved, be proud, be reminded, feel
それに対して、“cannot help Ving”の後に来る動詞に制限はありません。
例文:
He looks so funny. Whenever I see him, I can't help {smiling / but smile}.
「彼はこっけいに見える。彼を見る時はいつも、微笑まずにはいられない。」
※smileは感情表現なので、どちらの表現もOKです
I couldn't help borrowing 100,000 yen from him.
「私は彼から10万円借りずにはいられなかった。」
× -> I couldn't help but borrow 100,000 yen from him
○ -> I couldn't help borrowing 100,000 yen from him.
※borrowは感情表現ではないので、“cannot help but do”の表現は出来ません。
他にもある「~せざるを得ない」という表現
”cannot avoid Ving”
「Vingすることを避けることは出来ない」
”obliged to do”
obligeは、「(人に)~することを余儀なくさせる・(人に)義務を負わせる」という意味の他動詞になります。主語が自分自身の場合は、受動態になります。
“have no other choice”
「他に選択肢がない」
“have no choice but to do”
「~することを除いて選択肢は無い」
”cannot help but do“と似ている表現になりますが、同じような制約は無いので、感情表現以外の動詞を取ることが出来ます。
I had no choice but to borrow 100,000 yen from him.
「私には彼から10万円借りる以外の選択肢はなかった。」